旧借地権とは?新法と何が違うの?分かりやすい解説
Q:今度、中古マンションを買おうと思っています。
そこで質問があるのですが、その物件は借地権付きのマンションで、「旧借地権」の物件でした。
旧借地権とは一体何なのでしょうか?
新法とはどんな違いがあるのでしょうか。
旧借地権について分かりやすく解説をお願いしたいです。
どなたか詳しい方がいらっしゃいましたら、宜しくお願いします。
この質問に関しての回答
まず、借地権というのは土地ではなく『建物の所有』を目的にしています。
誰かが持っている土地を借りて、その土地の上に自分が持っている建物を建てます。
建物は自分のモノですが、土地は他人のモノ。
これが借地権です。
そして、借地権にはいくつか種類があります。
その中の一つが旧借地法による借地権、「旧借地権」です。
「新法借地権」は平成4年から始まり、それ以前の借地法が適用されている借地権が「旧法借地権」(旧借地権)と呼ばれています。
「新法借地権」が始まっても、適用されるのは平成4年以降に建てられた建物なので、それ以前に結ばれている借地法は旧借地権のまま、今も多くの物件があります。
なので今でも新法と旧法の借地権が両方あるのです。
それによって、質問者さんのように混乱される方も多いようですが、2つの違いについて理解していればそんなに難しいことではないですよ。
まず旧借地権は土地を持っている人より、その土地を借りている人の権利が強いです。
旧法で貸した土地は、還ってこない借地ともいわれることがあるそうです。
なぜそう言われているのかというと…
まず旧借地権では、建物を堅固建物と非堅固建物の2種類に分けています。
堅固建物というのは鉄筋コンクリート造やブロック造、レンガ造など造りが頑丈で長持ちする建物です。
非堅固建物は、木造などの建物が多いです。
そして旧法の借地権設定が存続期間30年・更新後20年となっています。
よっぽどの理由がない限りは基本的に土地を持っている地主さんは、契約更新を拒否出来ません。
建物が存在する限りは更新し続けられるのです。
例えば大地震などで建物が壊れない限りはずっとその土地を使い続けられるということです。
ちなみに新法の場合は建物の種類に関係なく、30年と決まっています。
もちろん当事者同士で話し合って、これ以外の期間になることもあります。
新法の借地権は、平成4年に改訂された「借地借家法」のもと契約が結ばれるようになった借地権です。
新法では「普通借地権」「定期借地権」と大きく分けて2つの借地権があります。
「普通借地権」は、旧借地権のように自動で更新されるようになっています。
基本的には旧法に準じている内容が多いですが、存続年数は30年です。
また、更新条件も旧法より明確な内容となっているそうです。
「定期借地権」は、新法で新しく設定されたものです。
原則的には更新が出来ない事になっていて、期間が満了した後で、地主に土地を返さなくてはいけません。
一般的な住宅の場合、存続年数は50年です。
期間が満了した後で地主に土地を返さなくてはなりませんが、定期借地権は期間に制限がある為、価格が安い物件が多いそうです。
また、旧法の借地権であっても更新のタイミング等で新法に変える場合もあります。
更新などのタイミングがいつなのか、また新法に変える予定があるのか等も、確認しておいた方が良いと思います。
「アーリアス」さんからの回答
借地権って、土地は借りているんだよね?賃貸と何が違うの?
と思うかもしれませんが、賃貸物件とは大きな違いがあります。
確かに、土地は借り物ですが建物は自分のモノです。
自分の家である以上、リフォームをしたり、壁紙を変えたり、壁に穴を空けても良いです。
借地権付き住宅を購入するのに、一番のメリットは土地を購入しないので値段が安くなるという点です。
特に旧借地権の場合、アーリアスさんが書いている通り土地を借りている側に良い点が多い為、言ってしまえばほとんど土地付きの家を買っているのと変わらないです。
借地期間が満了したとしても、地主側によっぽどの理由がない限りは更新されますし、今でも旧借地権の住宅はたくさんあります。
また、借地権付きの物件は土地を購入しない為、土地の固定資産税がかかりません。
その代わりに毎月地主さんに「地代」を支払う必要があったり、建物価格とは別で保証金や権利金などを支払う必要があります。
地代の平均価格はその地域や物件などによっても勿論、違ってきますが大体平均して1万円前後が多いようです。
都心などは土地の値段も高いので、もう少し高いと思います。
個人的には、自分の条件に合っていて気に入った物件なのであれば借地権付きだからと言って懸念してしまうのは勿体ないかなと思います。
勿論、地主さんや不動産屋さんにもよく話を聞くと良いと思いますよ。
家は大きな買い物だと思うので、自分が理解できるまで何度でも聞いたり調べたりした方が良いでしょう。
「タイラー」さんからの回答